先日、某美術館のコレクション展に行ってきました。
それは、印象派から後期印象派にかけての絵画展で、私の好きなエコール・ド・パリを多く含むものでした。
展示されていた絵画は、巨匠画家たちの典型的なモチーフだけでなく、意外な作風のものまで揃い、退屈しない展覧会でした。
ヨーロッパの近代絵画は画家本人の人生がその作風に色濃く表れることがありとても興味深く感じます。
・パトロンと家族に恵まれた画家の絵は愛情と光に満ち溢れています。
・破綻した精神が自傷行為まで起こした画家の筆使いと色使いは狂気に満ちています。
・アルコール中毒に苦しんだ画家は酒を買うために寒々とした街並みを描き続けました。
・役人から転身した画家は緻密で幻想的な絵を描きました。
・内縁の妻が自らの命を絶って後を追った画家の描く人物は優しく虚ろな瞳をしています。
・長年、故国を離れていた画家は、故郷の思い出をモチーフとして描き続けました。
・視力の衰えに苦しんだ画家は陽光の移ろいにこだわり続けました。
私も年齢相応に波乱万丈?の人生を送ってきたので、迷画!が描けるかもしれません。
巨匠と言われる画家の作品の中には、「子供のお絵かき」にしかみえないものがあります。
「芸術の価値」はとても不思議です。<後編へ>